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街路灯の設置基準は、設置場所や用途によって確認先が異なります。
車道、歩道、公園、広場、駐車場、既設更新など、対象の場所と案件の条件によって、最初に参照する資料や協議先が変わります。
本記事では、設計初期に確認しやすいよう、参照する資料の種類と一般的な確認順序を整理しています。
個別の案件では、設置場所、用途、管理者、発注者資料、関連基準などによって確認内容が異なるため、関係者への確認・協議とあわせて整理してください。
【確認メモ】
国土交通省は2025年10月1日に「道路照明施設設置基準」の改定を公表しました。2026年4月1日以降に設置される道路照明施設は、改定後の基準の適用対象です。進行中の設計・更新案件では、発注者資料や道路管理者の条件とあわせた確認が必要です。
はじめに3点を整理してから確認先を絞る
設置基準の確認は、基準名を調べる前に、次の3点を整理することが入口になります。
- 設置場所と照らす対象は何か?
車道、歩道、公園、広場、駐車場など、設置場所や照らす対象によって参照する資料や協議先が変わります。
- 新設か、既設更新・LED化か?
既設更新では、既設ポール、基礎、電源、配線ルート、腐食状況、既設図面や修繕履歴の有無も確認対象に加わります。
- 発注者・管理者資料はあるか?
公共工事や自治体案件では、特記仕様書、整備要綱、設計基準、景観ガイドラインに適用する基準や確認条件が示されている場合があります。国の基準やJISは、これらの資料と照らし合わせて確認します。
この3点が整理できたら、次の早引き表で最初に見る資料を絞ります。
設置場所別に見る確認先の早引き
| 検討内容 |
最初に見る資料・条件 |
主な確認点 |
| 車道・交差点 |
道路照明施設設置基準、道路管理者基準 |
視認性・輝度・照度・グレア |
| 歩道・自転車道 |
自治体基準、道路管理者基準、JIS等 |
歩行空間の安全・障害物・漏れ光 |
| 公園・広場 |
施設管理者条件、自治体基準、防犯関連資料 |
利用時間・防犯・維持管理 |
| 駐車場・駐輪場 |
施設管理者条件、防犯関連資料 |
動線・まぶしさ・安全性 |
| 景観配慮区域 |
景観計画、景観ガイドライン、発注者基準 |
色・意匠・光色 |
| 既設更新・LED化 |
既設図面、現地条件、構造・電気条件 |
腐食・受風面積・電源条件 |
表で確認先が絞れたら、発注者資料・既設図面・現地写真を手元に置いて、管理者や設計関係者との情報共有に入ります。既設更新の場合は、修繕履歴や灯具仕様が分かる資料も確認対象になります。
なお、照度、輝度、器具の配置間隔、取付高さなどの具体的な数値は、道路種別、用途、発注者仕様、管理者基準、現地条件によって変わります。本記事では数値基準を一律に示さず、確認先と確認の進め方を中心に整理します。
仕様確認の基本順序: 発注者・管理者資料 → 関連基準 → 現地条件・既設条件 → 協議記録
既設更新・LED化で最初に確認すること
LED照明に更新する場合は、光色、配光、まぶしさ、周辺住宅への光の入り方が変わる場合があります。
既設と同じ位置に灯具を取り付ける場合でも、更新後の照度分布、漏れ光、グレア、器具の向き、取付高さを確認対象にします。
既設ポールを流用する場合
まず、既設ポールの仕様、基礎、腐食状況、灯具の取付条件、電源・配線ルートを確認します。
新しい灯具の重量や受風面積が変わる場合は、既設ポールや基礎の条件に応じて、構造面の確認資料や計算書の提出が求められる場合があります。
LED照明に更新する場合
LED照明に更新する場合は、光色、配光、まぶしさ、周辺住宅への光の入り方が変わる場合があります。
既設と同じ位置に灯具を取り付ける場合でも、更新後の照度分布、漏れ光、グレア、器具の向き、取付高さを確認対象にします。
道路照明施設設置基準の改定(2026年4月適用)で確認したい点
改定後の基準では、道路照明のLED選定を標準化し、LEDへの転換を促進する方向性が示されています。
ただし、LED照明を選定すれば、設置条件の確認が不要になるわけではありません。配光、取付高さ、器具配置、漏れ光、電源条件、維持管理の考え方は、案件ごとに確認します。
よくあるご質問
- 最初に確認するのは、国の基準ですか、発注者資料ですか?
-
共工事や自治体案件では、まず発注者や管理者が示す特記仕様書、整備要綱、設計基準を確認します。
そのうえで、道路照明施設設置基準やJISなどの関連基準と照らし合わせます。実際にどの規格を参照するかは、設置場所、用途、発注者資料、管理者条件とあわせて整理します。
- 既設ポールを流用する場合、最初に確認したい点は何ですか?
-
まず、既設ポールの仕様、基礎、腐食状況、灯具の取付条件、電源・配線ルートを確認します。
新しい灯具の重量や受風面積が変わる場合は、構造面の確認が必要になることがあります。図面や修繕履歴が残っている場合は、現地確認の結果と突き合わせて判断します。
- 特記仕様書と基準類の解釈が分かれる場合は、どう整理しますか?
-
特記仕様書に基準名だけが記載され、適用する版や範囲が明示されていない場合があります。
その場合は、設計初期に発注者や管理者へ確認し、合意した内容をメール、議事録、確認メモなどに残しておくと、後工程で設計条件を整理しやすくなります。
参考にしたい基準・資料
本記事では、主に以下の資料を参照対象として整理しています。実際の案件では、発注者資料、管理者条件、適用する版、現地条件とあわせて確認します。
なお、環境省「光害対策ガイドライン」は、照明による人・動植物・夜空の明るさなどへの影響への配慮を示す資料です。漏れ光やグレアを扱う案件では、参照対象のひとつになります。
まとめ
街路灯の確認先は、設置場所、新設か既設更新か、発注者や管理者の要件によって変わります。
本記事の早引き表は代表的な確認先の目安であり、実際の検討では、管理者条件や発注者資料と照らし合わせて確認します。
既設更新・LED化を検討する場合は、既設ポールの流用可否、基礎や電源の状態、配光の変化など、新設時とは異なる確認事項が出てくることがあります。
最初に見る資料を決める前に、対象範囲と管理区分を整理しておくと、確認の順序を組み立てやすくなります。
監修
日本街路灯製造株式会社
照明・電気設計チーム
街路灯・屋外照明の照度設計や配置計画、電源・配線計画を担当。照明条件や電気設計の検討を手がけている
執筆
日本街路灯製造株式会社
街路灯ラボ編集チーム
街路灯・屋外照明に関する基礎知識や、設計・発注・更新時の確認ポイントを、実務に関わる方向けに整理・発信している