照明計画フロー
良好な照明環境は一定の基準で決まるものではなく、周囲の照明環境などによって相対的に決まるものであると定義されています。
計画の初期段階から、照明の目的を定め、設置する場所に合わせた照度条件などを設定して、適合する照明デザインを決定していくことが大切です。
光害対策ガイドラインについて
「光害」とは、良好な「光環境」の形成が、「人口光の不適切あるいは配慮に欠けた使用や運用、漏れ光によって阻害されている状況。 又はそれによる悪影響」と定義されています。
街路照明器具を対象に、光害を抑える照明器具の推奨性能項目として6項目が設定されており、JISや各種技術指針などの既存基準を踏まえたうえで、光害抑制の観点から「漏れ光」の抑制など、街路照明器具単体として配慮すべき事項がまとめられたものです。
具体例
(1)歩行者・居住者への影響
安眠妨害
プライバシーへの影響
不快なグレア(眩しさ)
歩道照度不足など
(2)農作物・家畜への影響
イネやホウレンソウの
生育障害
家畜の生理不順など
(3)天体観測への影響
(4)野生動物への影響
資料①
設置場所別の照明の目的例
照明環境類型 | 地域対象イメージ | 照明の目的 | 器具タイプ |
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照明環境Ⅰ (あんぜん) |
自然公園、里山田園 | 自然環境、農作物への影響に 配慮した街路灯の設置 |
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照明環境Ⅱ (あんしん) |
里地、郊外田園 山間の集落・町村など |
農作物への影響に配慮した 街路灯の設置 居住者への障害の防止 |
|
照明環境Ⅲ (やすらぎ) |
地方都市周辺、市街地 大都市周辺住宅地など |
居住者への障害の防止と 住環境整備の両立 商業施設の照明の適正化 |
|
照明環境Ⅳ (たのしみ) |
都市中心部、繁華街 商店街、オフィス街など |
街路灯のグレアの低減 都市夜景のデザイン性の向上 |
資料②
照明方法の種類
照明方法には、様々な種類があり、地域・目的に合わせ照射方法を含めた適切な照明設備を検討をします。
具体的には、ポール照明、足元灯、投光器、間接照明などの
手法があります。
資料③
設置場所別の照度基準(参考)
各種照明の基準が制定されていますが、「最低の照明レベル」はその場所に合わせて検討する必要があります。
<主な照度基準>
① 道路照明施設設置基準・同解説
② LED道路・トンネル照明導入ガイドライン
③ JIS照度基準
④ 防犯照明ガイド vol.5.1
⑤ 安全・安心まちづくり推進要網
⑥ 道路の移動等円滑化整備ガイドライン